The Boys In The Band(真夜中のパーティー)
観劇日:2018年6月29日
劇場:BOOTH THEATRE
大好きなドラマ「ビッグバンセオリー」(Hulu で視聴可)のジム・パーソンズ主演ということで気になっていた作品。ストレートプレイなので、リスニングに自信のない私はギリギリまで悩みましたが、初演を元に制作された映画がとても面白くテンポが良かったので、チケット購入。脚本も事前に読んでおきました。
【あらすじ】
マイケルがゲイ仲間の誕生パーティーの準備をしていたところ、古い友人のアランが突然アパートを訪ねてくることになった。アランが同性愛嫌いなことを知っているマイケルは、仲間達にゲイであることを隠すように言うが…。
【感想】
全編ゲイネタ満載。ゲイっぽさがポロリと出てバレそうになるところなど、これは笑っていいのかな、と戸惑う部分もありましたが、隣のゲイカップルらしきおじちゃん達はゲラゲラ笑ってました。
中盤からは、登場人物の傷ついた過去が明らかになり、しんみりとした雰囲気に。マイケルがストレートの友人アランに、お前も本当はゲイだろう、と詰め寄る場面で山場を迎えます。
意外に宗教的なテーマもあるのかなと思いました。ジム・パーソンズ演じるマイケルはカトリック信者という設定。冒頭はマイケルがタバコを吸おうとしてやめる、というシーン。同居人のドナルドに最近酒も飲んでないことを指摘されると「俺は神を見つけた」と答えます(観客席からはここで笑いが)。その直後には、はぐらかすように「神は死んだ」と言い、途中からやめたはずの酒をバカバカ飲み、タバコもスパスパ吸うマイケルなのですが、パーティー終了後に彼がミサに向かうところで幕を閉じることを考えると、作者は何かしらのメッセージをここに込めているのかもしれないと思いました。
その他印象的だったのは、誕生日の主役でクイーン的な存在のハロルドが、ニキビを気にするあまり外出前の準備に時間をかけすぎて遅刻する、というくだりや、昔想いを寄せていた相手に電話をかけるバーナードやエモリーのシーンなど。同性愛者でなくとも共感する場面が多くありました。
ラストにマイケルがパニック発作を起こすところは、映画版でも、彼の警戒心や虚勢が全て取り払われて一瞬あどけない表情が見えるのが何とも魅力的なシーンだったのですが、ジム・パーソンズも見事に演じ切っていました。特に恋人のドナルドに薬(精神安定剤かな)を飲まされて背中をさすられながら少しずつ落ち着いていく様は、まるで母親になだめられている幼児のようで、改めて優れた役者さんなのだと思いました。
映画版マイケルのケネス・ネルソンもとても魅力的。少し前にイギリスで上演された時は、バースデーガールのハロルドをドラマ「シャーロック」のお兄さん役、マーク・ゲイティスが演じたそうです。ハマりそう!