夭折の作家が残したもの:Be More Chill(ビー・モア・チル)
まだオフ・ブロードウェイ上演中でありながら「アメリカで最も人気があるミュージカルの1つ」と呼び声の高いのがBe More Chill。
【あらすじ】ジェレミーは高校生。学校で日蔭者になっていることを嘆いている。彼はある日、いじめっ子のリッチからSQUIPという薬の形をしたスーパーコンピュータを教えてもらう。それは飲んだ人の脳に埋め込まれ、かっこよく振る舞うにはどうしたらいいかを教えてくれるというのだが…。(あらすじ終わり)
このミュージカルは同名の小説が元になっています。
作者のネッド・ヴィジーニは、代表作に映画にもなった「It's Kind of A Funny Story」(邦題:なんだかおかしな物語)がありますが、ひどいうつ病に苦しんでいたそうで、2013年に32歳で自ら命を絶っています。Be More Chillのような作品がヒットするのは、ネッド自身が感じた生きづらさに多くの人が共感しているからでしょうか。
初演は2015年のニュージャージーで、今年からオフ・ブロードウェイでの上演が開始されたようです。主演はニュージャージーではウィル・コノニーでしたが、オフ・ブロードウェイに移ってからはDear Evan HansenでJared役を演じていたウィル・ローランドが務めています。
昨年Dear Evan Hansenを観た時は、正直ウィル・ローランド(29歳)がティーンを演じるのはもう無理があるんじゃないかと思ったのですが、yotubeの動画を見るとそうでもないのが不思議。Todaytixでもロッタリーチケット(抽選)扱いになっており、人気の高さが伺えます。
劇場はThe Pershing Square Signature Center。9月30日で終演となっていますが、この勢いだとブロードウェイ進出も十分ありえそうです。
【追記】来年2月13日よりブロードウェイのLYCEUM THEATREで上演されることが9月5日に発表されました。
ちなみに薬型スーパーコンピュータSQUIPは日本製という設定。「SQUIP song」には"It's from Japan"という歌詞が出てきます。