仏カレーの難民キャンプ解体を描く:THE JUNGLE
ウエストエンドで上演中の社会派舞台「THE JUNGLE」。スカイライトのスティーブン・ダルドリーがジャスティン・マーティンと共同で演出に携わっています。ツイッターで実際に観た人達のコメントが最高級の賛辞ばかりで、大変気になる作品です。2018年サウスバンク・スカイアーツ賞シアター部門受賞。
シリア内戦で祖国を追われ、イギリスへ渡ることを夢見る人々が集まった、フランス・カレーの難民キャンプ「ジャングル」。一時は1万人近くの難民が集まっていましたが、2016年10月に撤去されました。
脚本のジョー・マーフィ&ジョー・ロバートソンは、7ヶ月間ジャングルで生活した経験をもとにこの作品を執筆。舞台化にあたり、現地で出会った人々と何度もワークショップを重ねたとのこと。ジャングルには25もの国籍の人々がいて、多くの言語が話され、世界の縮図のようだったといいます。教会やモスク、レストランやカフェもあったそうです。
物語はイギリス上陸を目指す1人の少年と、イギリスから来たボランティア達との交流を軸に進んでいくようです。劇場では、アフガン・レストランを模したテーブル席もあって、甘いチャイがふるまわれます。観客はジャングルというコミュニティの一員として、その創生から解体を経験することになるのだとか。
「THE JUNGLE」はロンドンのPlayhouse Theatreで11月3日まで。12月4日からはオフ・ブロードウェイでの上演も決定しています(1月13日まで)。冬休みにニューヨークまで観に行けるか…。
脚本は来年3月発売予定で、現在予約受付中。