バーブラ・ストライサンドの出世作「ファニーガール」50周年
映画「ファニー・ガール」は今から50年前の1868年9月に公開されました。アメリカでは50周年記念上映が企画されたり、CDが発売されたり、バーブラ・ストライサンドのそっくりさんがツアーをしたりしているようです(ご本人は76歳なので、さすがにツアーはきついのでしょうか)。
小学生の頃テレビで彼女の歌声を聴いてから、ずっと気になっていた映画でしたが、この機会にちゃんと観ようとDVDを購入。2時間半の大作でした。監督は「ローマの休日」「ベン・ハー」のウィリアム・ワイラー。
【あらすじ】夫が出所する日、誰もいない劇場で自分の半生を振り返る喜劇女優ファニー・ブライス。ーー最初は端役で舞台上でも失敗続きだったファニー。ところが楽屋を訪れたギャンブラーのニックに「君はいずれ大スターになる」と言われ…。(あらすじ終わり)
バーブラ・ストライサンドが圧倒的な歌唱力で唯一無二の魅力を撒き散らす映画です。あのパワーはどこから来るのでしょう。屈託のない笑顔もとてもチャーミング。彼女は「いわゆる美人ではない」とよく言われますが、私にはとても綺麗に見えました。劇中歌は「People」「パレードに雨を降らせないで」などどれも素晴らしく、特に最後の「My Man」が圧巻です。
オマル・シャリーフが演じるニックは、クラーク・ゲーブルみたいな雰囲気。プロポーズ後に結婚資金をポーカーで稼ぐ、という一番ひっかかったらいけないタイプの男です。加えて、借金を抱えても妻に助けてもらうことは嫌だというから、めんどくさい。でもオマルは最後まで(刑務所から出てきた時でさえ)、パリッとした服装と髪型で、スマートに演じていました。彼自身、ギャンブル好きで馬主でもあったそうなので、はまり役と言えるでしょう。
公開当初、ユダヤ人とアラブ人がキスをする、という点が物議を醸したそうで、以前も書きましたが、オマルはエジプト国籍を剥奪されそうになったとか。
主人公のモデルになったファニー・ブライス(Fanny Brice)は1920年代に舞台で活躍した喜劇女優で、30年代にはラジオのBaby Snooksという役で人気を博します。映画でも、ファニーが赤ちゃん服を着て出てきます。
実際のファニー・ブライスは3度結婚していて、ニックは2番目の夫だそうです。そして映画とは違って、ニックは結婚前にも刑務所に入り、ファニーに金を無心していたので、彼女は大変な損失を被ったようです。あれでも映画は随分美化されていたんですね。
もともとブロードウェイの舞台だったこの作品。昨年までイギリスのウエストエンドでリバイバル上演されていて好評だったようです。イギリスではその舞台の録画が、10月に映画館で観られるとか。羨ましい。
ちなみに、ファニー・レディという続編もあるようです。