マシュー・ボーンの「シンデレラ」日本公演(東急シアターオーブ)
観劇日:2018年10月3日
劇場:東急シアター・オーブ
上演時間:2時間半(2回休憩有)
おとぎ話というより、「1人の男と1人の女の恋物語」になっていました。そしてそれがとても良かった。風邪気味だったのですが、観終わった後は元気に。いい舞台は免疫力も上げるようです。
【あらすじ】第二次大戦中のロンドン。シンデレラは父の後妻とその息子・娘達に虐げられていた。ある日彼女の家に負傷した空軍パイロットのハリーが訪れ、2人は恋に落ちる。天使の助けでカフェ・ド・パリでのダンスパーティーを楽しむ2人。しかしロンドン大空襲のため離れ離れになり…。(あらすじ終わり)
ロンドン在住の方のブログでも評判が良く、メインキャストが昨年のロンドンリバイバル上演とほぼ同じだったので、チケット購入。
旧ソ連の作曲家セルゲイ・プロコフィエフのバレエ音楽にマシュー・ボーンが振り付け・演出したもので、初演は1997年。
【以下、ネタバレあり感想】
パイロット役のアンドリュー・モナガンは、素人目にも凄い技術なのだとわかりました。第1幕にシンデレラがマネキンと踊るシーンがあって、途中で服を着たトルソーからモナガンにすり替わるのですが、見事にマネキンっぽい動き。その他の場面でも絵になるパイロットでした。
第2幕のダンスパーティーのシーンは、シンデレラ(アシュリー・ショー)が、それまでのグレーの服とは打って変わって、キラキラ衣装でしかもモテモテ。いっぺんに5人の男性と踊ったりするのが楽しかったです。最初はおずおずとした雰囲気だった彼女が、だんだん自信がついて堂々としてきたところでパイロットと踊ります。
その後、部屋着姿で2人で踊るシーンもあるのですが、素朴というか生々しいというか、個人的にはダンスパーティーのシーンより、こちらの方がグッときました。
継母は、最終的にはひどい人なのですが、華があってチャーミングでした。パイロットに言い寄り、2人で踊るシーンもあります。彼の方は気もそぞろで、投げやりなダンスなのが面白い。
銀髪の天使リアム・ムーア(初代ビリー・エリオット)は、がっちりとした体格でした。どこかのレビューで「天使の役目がよくわからない」とあった通り、味方なの?敵なの?と混乱する面も。わかりやすくカボチャの馬車を出したりはしません。でも、さり気なく手を繋ぐように導いたりするのが良いです。ラストでは、このシンデレラという物語を読んでいる(と思われる)1人の女性の肩に、天使がそっと手を置きます。舞台を観ている観客にも天使の祝福を、という意味かなと思いました。
カーテンコールでは写真撮影可でした。あまり上手く撮れませんでしたが。
東急シアター・オーブでの上演は10月14日(日)まで。11月3日からは、恵比寿ガーデンシネマでロンドン公演の上映もあります。他の映画館でも順次公開されるようです。病院のシーンなど少しわかりにくいところもあったので、映画館で復習してみたい気もします。
白鳥の湖も来年新演出で来日するそうで、こちらも楽しみです。