仕事が嫌になったからブロードウェイでミュージカル観てくる

映像業界経験のある事務職員。観劇への情熱だけが残っています。

思わず偽物に手を伸ばしてしまう心境:Words Fail(Dear Evan Hansen)

今回は、昨年夏に観たDear Evan Hansenから「Words Fail」について。

主人公エヴァンが、自殺した同級生コナーの遺族に、自分がついていた嘘を打ち明けるシーンで歌われる歌。聴くだけで体力使うような、6分近くある大曲です。

Words Fail

Words Fail

サントラで初めて聴いた時は、こんな心情を歌にしちゃうんだ、と戸惑いながらも心揺さぶられました。観劇当日はエヴァン役のベン・プラットが涙でぐちゃぐちゃになって、唾をとばして、鼻水出しながら歌ってました。観客席も号泣してる人が多かったです。

www.nytimes.com

 

【歌詞概要】

こんな事をするつもりじゃなかった。こんな事になるなんて思ってなかった。謝りたくて、何か言いたいけど、言葉が見つからない。何も言えない。

自分の良いところを見てくれるガールフレンド。親父ギャグを言う父親。いつも家にいてくれる母親。そんな世界の一部に僕もなりたかった。

こんな言い訳が通用しないことはわかってる。ただ、目の前に、自分が欲しいと思っていたものの全てがあって、それが本当だと思いたくて、(嘘をつくことで)それを本当にしたかった。みんなもその嘘を少し望んでいて、必要としているんじゃないかと思ったし。

哀しい作り事だった。現実じゃなかったのは、よくわかってる。でも僕らはその作り事の中で幸せだったんだ。

僕は、それを手放したくなかったんだと思う。諦めたくなかったんだと思う。信じたかったんだと思う。だって、信じなかったら、本当にそこにある現実を見なきゃいけないから。

自分が、こんな壊れた部品の寄せ集めみたいな、つまらない人間じゃないふりをしたかった。そしたら、みじめな現実を見なくてすむから。

僕はエンジンをかける前からブレーキを踏む事を覚えたんだ。失敗する前に、周りの人達が自分の最悪な姿を見る前に。絶対に自分の最悪な姿を見られるわけにはいかない。

だってもし見られたらどうする?知られたらどうする?みんなは僕を好きになる?それとも僕自身と同じように嫌いになる?

僕はこれからも真実から目を背けて逃げ続けるんだろうか。

僕がやる事といえば、逃げることばかりなんだ。だから、こんな僕がどうやって、太陽の光の中に足を踏み出すことができるっていうんだ?【歌詞概要おわり】

「本物」じゃないと理解していても、思わず手を伸ばしてしまう心境。よくわかる気がします。

このエヴァンという役を演じる負担は相当なもののようで、ベン・プラットはかなり念入りに身体のメンテナンスをしていたそうです。NYタイムズによると1日に9〜10時間寝て、乳製品や小麦粉をとらず、サプリを飲み、水分をこまめに補給。週に2回理学療法を受け、日曜の夜からは20時間一言も話さずに喉を休めていたとか。

17年11月にDear Evan Hansenを降板したベン・プラットは、Netflixのドラマ「The Politician」に出演予定サンタバーバラ出身のお金持ちな政治家の役だそうです。共演がグウィネス・パルトロウバーブラ・ストライサンドという噂もあって、実現したらすごい豪華キャストですね。エヴァンのガールフレンド役を演じたローラ・ドレフュスも出るようです(こちらは決定)。

19年アメリカ公開の映画「Love & Oatmeal」への出演も決まっていて、こちらは精神を病んだ姉(あるいは妹?)を持ち、パリへの移住を夢見る作家の役。日本でも観れたらいいな。