仕事が嫌になったからブロードウェイでミュージカル観てくる

映像業界経験のある事務職員。観劇への情熱だけが残っています。

トニー賞ミュージカルを支える音響デザイナー:原田海さん

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7月にThe Band's Visitを観たとき、あまりにバンドをはじめ全ての音がバチッと決まっていたのに感激して、最初は、ミュージシャンが素晴らしいんだなと思っていたのですが(もちろんそうですが)、その後影の立役者である音響デザイナー原田海(Kai Harada)さんの存在を知りました。

原田さんは、今年のトニー賞で、ミュージカル音響デザイン賞を受賞しています。上の記事の中で、The Band's Visitプロデューサーの「音響は劇場での親密さを保つために不可欠」という言葉が紹介されているのですが、本当に心から頷く思いで、あの居心地のよい空間は原田さんが作り出していたのだな、と改めて感服しました。

たとえば、アクセントの強い英語を話す登場人物の会話を、観客が舞台上で聞いているかのように聴こえるようにしたり(聴き取りにくいために、観客が前のめりになることも想定済み)、コオロギ、鳥、風の音を組み合わせて1日の時間帯を表現したり、ラジオの流れるシーンでは、実際に音を出しているのは舞台に設置したスピーカーでも、観客にはラジオから音が流れているように聞こえるようにしたりと、おそろしく細かな工夫がされているそうです。

原田さんは父親が日本人、母親がアメリカ人のハーフ。お父様は、ジュリアード音楽大学に通うためにアメリカに来たのだとか。来日経験も豊富で、劇団四季ウィキッドにも携わったそうです。

最近のお仕事としては、7月からブロードウェイ上演中のHead Over Heelsや、8月31日にマサチューセッツ州でプレビュー公演が始まったばかりのThe Black Clownでも音響デザインを担当。

この作品は、黒人文芸復興の指導者ラングストン・ヒューズの同名の詩が原案で、オペラ、ジャズ、黒人霊歌などを融合させたミュージカルだそう。また腕の見せ所ですね。

 

The Theatrical Sound Engineer's Bible―劇場音響技術者教書

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