仕事が嫌になったからブロードウェイでミュージカル観てくる

Nothing is as beautiful as something that you don’t expect.

「生きる」ミュージカル(日生劇場)

観劇日:2020年10月10日

劇場:日生劇場

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初演時に市村さん版をみてとても感動して、鹿賀さんバージョンもぜひ観たいと思っていました。今回鹿賀さん初日に観劇。本当に観てよかった。

【以下、ネタバレを含む感想】

オープニングのコーラスの厚みに、ああ来てよかったと、生の歌声に包まれる心地良さを味わいました。生歌生オケに勝るものなしです。

ラストシーンでまたもや号泣。2回目なのに。結末を知ってるのに。あのラストの公園には、細部に至るまで勘治の人生の集大成が詰まっているんですよね。泣けて泣けて仕方なかった。公園できて本当によかったね、という気持ちで一杯で(フィクションなのに)、カーテンコールの時も拍手をしすぎて手が赤くなりました。

勘治が癌になって見つけた一番大切なものは、公園を作って人の役に立つ事というより、息子の光男との絆だったんだなと思いました。

お葬式のシーンでは、助役や役所の人たちが小説家や婦人会とやり合うシーンが繰り広げられていて、でも背後でほほえむ勘治の遺影はそんな事を超越して満足しているように見えました。

鹿賀丈史さんはさすがの貫禄。2回目のバースデーの場面で歌い出す時、急に堂々とかっこよくなって、ジャンバルジャンか?と思いました(レミゼ観てないけど)。とても70目前とは思えない。市村さんの時も思ったけど、前半いくらヨロヨロのふりをしても、一線で活躍し続けている役者さんの生命力って隠しきれないものがあるなと思います。

道具がとても効果的に使われていました(これは映画から引き継がれたものかもしれないですが)。バースデーケーキ、うさぎのおもちゃ、ブランコ、そして帽子…。いちいちキュンとしてしまいました。

息子の光男は思い込みが激しすぎて、小説家と一緒に「話聞けよ!」と言いたくなりましたが、親に反発する子供ってこんなものかなと思ったりもしました。

婦人会の方々と、とよちゃん、みんな背が小さくて、でも一生懸命歌って踊ってなんだか可愛い。こんなところにも日本のミュージカルのオリジナリティを感じました。

小説家がだんだん勘治に感化されていく様子もよく伝わってきました。

私たちの誰もがいずれ経験する宣告。それをどう受け止めていけばよいか。そんな事も考えさせられた作品でした。久しぶりに思いきり感動の涙を流して、仕事のストレスでくすぶっていた気持ちが浄化されるようでした。本当に観に行ってよかったです。

 

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