仕事が嫌になったからブロードウェイでミュージカル観てくる

Nothing is as beautiful as something that you don’t expect.

バレエ・アム・ライン「白鳥の湖」

鑑賞日:2019年9月20日

劇場:Bunkamuraオーチャードホール

ヨーロッパで話題だというドイツのカンパニーが「白鳥の湖」で来日、しかも生オケということで、お高かったけど観てきました。

一番の衝撃は、オデット役の女性がいかにもバレリーナな感じではなく、小柄で筋肉質だったこと。ドタバタ走る様子は白鳥というよりアヒルの子のよう。誰もがうっとりする高嶺の花じゃないけど、王子にはツボだったのね、という感じで見ていた。でも、彼女が愛された自信に輝いてとても美しく見える瞬間もあって、だから裏切られた時の悲嘆の大きさが感じられた。王子役が手足が長い、群舞の中でも目を引く人だったので、オデットと一緒に踊ると頭2個分くらい身長差があるように見えて、面白かった。2人が座って向かい合うシーンが、くつろいだ雰囲気で好きだった。

芸術監督・振付のマーティン・シュレップァー氏(客席にいた)は「現実の世界は、 整った美しい人ばかりではなく、 小さい人もいますし大きい人もいる、 そういった現実の生活を舞台の中で表現したい」と語っていて、なるほどと思った。

オケについては、最初から大好きな白鳥の湖を生で聴ける贅沢を噛み締めていたんだけど、特にジークフリートがオディールに騙されたと気づいた絶望のシーンが、これでもかというくらいに盛り上げられて、圧倒された。

一番観られて良かったなーと思ったのは、四幕の人間になった白鳥たちの群舞(マシューボーン版でいうとベッドの下から白鳥が出てくるところのメロディ)。メインの白鳥のダンサーが可愛いかった。オデットが裏切られた哀しみを白鳥みんなが共有している感じがした。

全体を通してほかに気づいたところは、無音で踊るところが結構あった。(え?音楽こんなに盛り上がってるのに、ダンサーはじっとしてるの?)と思う所も多々あった。アジア人がみんな悪役なのは、日本人ダンサー達は受け入れているようだけれど、正直少しモヤモヤした。

色々と戸惑うところもあったけど、それも含めて観てよかったです。

 

Tchaikovsky: Swan Lake (Choreography By Martin Schlapfer) [DVD] [Import]

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