仕事が嫌になったからブロードウェイでミュージカル観てくる

Nothing is as beautiful as something that you don’t expect.

パリのアメリカ人(劇団四季)

観劇日:2019年2月11日

劇場:東急シアターオーブ(渋谷)

上演時間:2時間50分 ※途中休憩あり

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1951年のミュージカル映画を、少しストーリーを変えて舞台化したもの。

歌よりダンスの割合が多くて、以前観たマシューボーンのシンデレラに少し歌が加わった、くらいの感じ。生オケじゃないのが残念でした(四季は財政難で生オケを廃止したそうですね)。

2015年にトニー賞で振付賞を含む4部門受賞しているそうです。

【あらすじ】

舞台は第二次世界大戦後のパリ。退役軍人のジェリーは、アメリカに帰らず、パリで画家を目指すことにした。彼はたまたま出逢った踊り子のリズに一目惚れする。ジェリーの猛アタックにより、2人は頻繁に会うようになるが、ジェリーの友人で作曲家のアダムもリズに好意を持ち、繊維会社の御曹司アンリもリズと親しい仲で、後に婚約する。さらにジェリーは、彼に好意を持つアメリカ人女性のマイロから、パトロンになる話を持ちかけられ…。

【ネタバレを含む感想】

映画よりリズが可愛くて、踊りもしなやかで美しかったです。ジェリーも見事な踊りで、キャラクターにも好感が持てました。

戦争の爪痕がより色濃く描かれていて、ナチスの話や、戦時中の体験、レジスタンスの話などが出てきました(映画でそれにほとんど触れなかったのは、終戦後間もなくて、まだ生々しすぎたのだなと思いました)。

作曲家アダム役の俵和也がチャーミング。アダムは足の悪い役なのだけど、想像上のラジオシティシーンで軽快なダンスを披露していました。「But Not For Me」のソロにも心打たれました。

ジェリーのパトロンであるマイロ役の岡村美南は声量があって存在感もあり、カーテンコールでひときわ大きな拍手をもらっていました。リズの婚約者アンリは映画より見せ場が多く、彼の両親もいい味を出していました。

舞台オリジナルの新作バレエシーンは少し長く感じました。それより最後のリズとジェリーの喜びのダンスがもっと長くてもいいんじゃないかなと思いました。

歌も踊りも危なげなくて、安心して見ていられましたが、歌はガーシュウィンのリズミカルな感じがもっと欲しい気もしました。どちらかというと「きれいな合唱」という印象でした。

リズは3人の男性それぞれに思わせぶりな態度をとるなと思わないでもなかったけれど、最後にジェリーの腕に飛び込むシーンは胸が熱くなりました。そんなわけで、鑑賞後は満足でした。

パリのアメリカ人

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  • アーティスト: オリジナル・ブロードウェイ・キャスト・レコーディング
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2018/11/21
  • メディア: CD
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画狂人北斎

観劇日:2019年1月15日

劇場:新国立劇場

上映時間:120分(休憩なし)

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90歳でこの世を去る時に「天があと5年の間、命保つことを私に許されたなら、必ずやまさに本物といえる画工になり得たであろう」と言ったという葛飾北斎に興味を引かれ、ミュージカル「生きる」でも感銘を受けた宮本亜門演出ということで、今回の観劇を決めました。現代と江戸時代を行き来し、時に両者が交わる演出に戸惑うこともありましたが、観終わった後はズシンと心にのしかかるものが。何と言っても一番は北斎の絵の迫力。あんな恐いプロジェクションマッピングは初めて見ました。

【以下、ネタバレを含むあらすじ】

舞台の始まりは現代。美術館で企画講演を行う北斎の研究家とその後輩である凛太が登場。凛太はかつて画家を志し、賞を取ったこともあったけれど訳あって絵を描くことをやめてしまった様子。

観客が講演会の聴衆役にされてしまうのも面白かったし(最近の流行りかなと思いますが)、北斎が数理学的な理論を使い、コンパスや定規を使って計算し尽くされた絵を描いていたという説明も勉強になりました。ドビュッシーにまで影響を与えていたとは。

続いて江戸時代のシーンへ。ゴミの散らかった部屋で絵を描いている北斎と、娘のおえい。そこにろくでもない孫や、戯作者の種彦がやって来たりするのですが、正直このあたりは少し冗長な印象。

盛り上がるのは、北斎が身を隠した小布施で死体の解剖を目の当たりにするところ。ふわふわした子宮をイメージした舞台美術も美しいです。

キリシタン禁制の当時、箸に見せかけて描かれた十字架の絵や、改革後の日本を予言した見立て絵も興味深かった。

凛太が恋人を津波で亡くす回想シーンの、北斎の絵を使ったプロジェクションマッピングは本当に恐ろしくて、これは被災された方は見られないのではないかと思いました。

北斎が子どもの頃から「見られている」と恐れていた「目」に、実はありのままで受け入れられていると気づくシーンも印象的でした。宇宙の奥義、と言い表わされていましたが、シーボルト等の西洋人を通してキリスト教にも触れていた彼なりの神観なのかなと。でも、その目を描いたものとして、プロジェクションマッピングで使われた最晩年の鳳凰の絵は本当に恐ろしくて、思わず目をそらしてしまったくらいです。

いくら世間に評価されても「自分は偽物しか描けていない」と落胆し、禁書だった舶来の解剖図を見て感嘆し、本物の死体解剖を見て「そうだったのかあ!」と驚喜する北斎。本当に人の評価ではなく、自分の納得する道を邁進した人だったのだなと思いました。人目線でなく自分の価値観で生きるってどういことだろうと考えさせられる作品でした。

舞台を観た後に見つけた下のページですが、北斎がいかに苦労して「神奈川沖浪裏」にたどり着いたかがわかります。劇中にも「天才と簡単に言うな」というセリフがありました。

 

 

北斎決定版 (別冊太陽 日本のこころ)

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パターソン

鑑賞日:2019年1月14日

映画館:アップリンク吉祥寺

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「沈黙」から注目していたアダム・ドライバー主演ということで、観たい観たいと思っていながら延び延びになっていたのが、ようやく念願叶って映画館で観ることができました。鑑賞後、深い満足感に満たされています。

【あらすじ】

ニュージャージー州パターソンに住むパターソンという名のバス運転手は、毎朝6時過ぎに目覚め、まだベッドで寝ている妻のローラにキスをして、朝食にシリアルを食べ、仕事へ行き、詩を推敲し、帰宅後は犬の散歩に行き、途中で行きつけのバーに寄ってビールを一杯飲む。同じことの繰り返しのようで少しずつ変化のある毎日を彼は慈しんでいた。しかし、静かな日常の中で彼に一つの喪失が訪れ…。

【以下、ネタバレを含む感想】

"何も起こらない"といくつかのサイトの感想にあったので、退屈だったらどうしようと思って、何となく行きそびれていましたが、それは(私にとっては)杞憂でした。

たしかに何も心かき乱されることは起こらないけど、非日常を味わえて、穏やかな気持ちになれる。ある意味理想的な映画と言えると思います。願わくば常にどこかの映画館で上映されていて、嫌なことがあったり、気持ちがせかせかしてて心拍数を下げたい時に観たいような、そんな作品でした。

アダム・ドライバーの奥さんに向ける無防備な笑顔がキュートです。バスの中で詩を考えたり、滝を思い浮かべたりしているところが、何だか禅っぽくて、彼は東洋と相性のいい俳優さんじゃないかと思いました。

同じことの繰り返しを好むパターソンとは対照的なアーティスト気質の妻ローラは、イラン出身のゴルシフテ・ファラハニが演じていましたが、とても美しくセクシー。パターソンは、時に彼女の気まぐれに戸惑いながらも、一途に彼女への想いを詩にうたい続けます。

飼い犬のブルドッグ、マーヴィンもとてもいい味を出しています。演じたのは、もと保護犬のネリー。カンヌでパルム・ドッグ賞も受賞したそうですが、残念ながら映画公開前に亡くなってしまったそうです。クレジットの一番最後でも彼女のことに触れられていました。

最後の最後に永瀬正敏が出てきた時は、唐突な印象もありましたが、同じ日本人として、頑張れ!と応援するような気持ちでした。後で調べたら、監督のジム・ジャームッシュは、永瀬主演の「ミステリートレイン」の監督でもあったのですね。

個人的なツボは、頻繁に出てくる双子と、バーの客の「俺は俳優だ」。パターソンの好きな詩人ウィリアム・カーロス・ウィリアムズのスモモの詩も、すごく可愛かった。

観終わった後、自分のささやかな日常も満ち足りたものに思えるような、そんな映画でした。

パターソン

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ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812

観劇日:2019年1月8日

劇場:東京芸術劇場

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2年前にブロードウェイに行った時、気になっていたのに観そびれた作品。1番の売りであるコメットシートを、奮発して体験してきました。トルストイの「戦争と平和」が原作ということで、ややこしい話かと思いましたが、見てみると意外とわかりやすかったです。

【あらすじ】

舞台は19世紀のロシア。ピエールは父から莫大な財産を受け継いだが、妻エレンとの愛のない暮らしの中、いかに生きるかを問い続けている。

一方、ピエールの親友アンドレイと婚約していたナターシャは、アンドレイの旅行中に快楽主義者のアナトールと恋に落ち、2人は駆け落ちを企てるが…。

【以下ネタバレを含む感想】

劇場全体が素敵に飾られていました。コメットシートから見た客席がまず綺麗。

↓こちらがコメットシートの見取り図です。

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手前が通常の観客席がある方です。コメットシートはXA〜XDの5つのエリアがあって、XAの右横がオーケストラピットになっていました。コメットシートのスペースは、舞台より少し低くなっていて、カウンター席とテーブル席がありました。私はテーブル席でしたが、1人観劇だったので、相席の方と少しぎこちない空気にはなりました。

開演5分前くらいから、キャストが数名盛り上げるために舞台に出てきます。ピロシキやエッグマラカスがもらえる場合もありますが、各エリア1人ずつぐらいなので、本当にピロシキが食べたい人、エッグマラカスが欲しい人は事前にロビーで買っておいた方が無難でしょう。

舞台の内容ですが、ピエールの地味ともいえる心の動きが物語の主軸になっています。飲んだくれて本ばかり読んで無為に過ごしていた彼は、妻の愛人ドロホフとの決闘を機に、自分は今まで本当の意味で生きていなかったと悟ります。紆余曲折あって、彼の心が真に生き始めた時に、大彗星(グレートコメット)が到来するのでした。

ピエール役の井上芳雄は初見でしたが、お客さんの熱い視線からみると、かなりの人気者の様子。綾野剛みたいな線の細い風貌で、BW版のジョシュ・グローバンとは随分趣が違いました。原作の設定は肥満だそうですが、個人的には日本版の雰囲気の方が好みでした。

ピエールの物語と並行して語られるのが、ナターシャの幼い恋。演ずる生田絵梨花は色白で若々しく、舞台度胸のある人という印象。ナターシャという役がただ可愛いだけでなく、嫌悪や虚栄心なども描かれているのがいいと思いました。

存在感があったのが、ナターシャを誘惑するアナトール役の小西遼生。ミュージカル「生きる」でも観ましたが、今回の方が引き締まって華がありました。ちなみにBW版のアナトールは夢のような王子様キャラですが、小西版はワイルドでした。同じくワイルドなドロホフと少しキャラが被ってる気もしました。

特筆すべきは武田真治。ナターシャの婚約者アンドレイと、彼の父である老公爵の二役でしたが、特に老公爵は熱演。身体能力高いなと思いました。あとは目の前でサックスが聴けたのがよかった。

コメットシートの感想ですが、全体像を把握するには正面から見た方がいいと思います。でも、至近距離で熱演が見られたり、キャストが真横をすり抜けたり、肩を触られたりするのは、やはりなかなか無い体験でした。アトラクションに参加しているような感覚もありました。注意点としては、ポップコーンの雪が降ってくるので、コートはクロークに預けた方がいいです。

全編歌で繰り広げられるのですが、一箇所だけ、セリフで語られるところがあります。そこがとても心に沁みました。この舞台を観に来てよかったなと思った瞬間でした。

 

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夜中に犬に起こった奇妙な事件(NTLive)

鑑賞日:2019年1月5日

映画館:シネ・リーブル池袋

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もともとマーク・ハッドンの原作のファンで、ナショナルシアターライブは2回目。プロジェクションマッピングが特徴的な演出ですが、何よりも登場人物それぞれの感情が丁寧に描かれていて、心に迫ってきました。改めて傑作だなと思います。

【あらすじ】

15歳のクリストファーは、近所のシアーズ夫人の飼い犬ウェリントンが、園芸用の大きなフォークで殺されているのを発見する。人に触られるのが苦手な彼は、職務質問を受けている途中でパニックに陥って警察官を殴り、警察に保護されてしまう。

一時は犯人だとも疑われた彼は、真犯人を探そうと、近所の聴き取り調査を開始するが…。

【以下、ネタバレを含む感想】

原作小説を読んだ時も、1回目のナショナルシアターライブを観た時も、クリストファー目線でストーリーを追っていたのですが、今回は両親の気持ちが痛いほど伝わってきました。ことさらに感動を煽るようなことはしてないのに、なぜかじわじわ泣けるシーンのオンパレード。

特に父親は、自閉症のクリストファーを心から愛していて、忍耐強く我慢強く彼を支えてきたのだなと。その分抑えてきたものがとても大きかったのですね。思わず息子に手を挙げてしまうシーンは本当に切ない。ブチッとクリストファーの心の電源が切れたような効果音が入ります。

母親役の女優さんは、不思議な温かさのある人で、思い出や手紙のシーンで彼女が登場すると、場の雰囲気がほっと和む感じがしました。クリスマスの買い物の話から、宇宙飛行士になったクリストファーを「私の息子よ!」と言う夢のところは、いつも涙が。彼女はクリストファーを置いて逃げてしまったけど、ロンドンでの着替えを手伝うシーンなどから、本当に彼を愛しているということが、ひしひしと伝わってきました。

人に触れられることを嫌うクリストファーに対して、両親がそれぞれ、おずおずと手を彼にかざすシーンもたまりません。父親がゆるしを乞うところで、5分間のキッチンタイマーを使うところも。何でしょうね、家族と愛し合いたいと思っているのに、思うように繋がれない悲しさ、もどかしさが心を打つんでしょうか。

母親からの手紙を発見して、その事実を受け止め切れなかったり、電車の窓から入ってくる溢れる情報を処理し切れないと、気を失い失禁してしまうクリストファー。でもそんな生き辛さを抱えながら、自分なりに情報を集めて分析して、行く先を決めて、実行に移して…。彼の恐れ、混乱、決断に共感し、心動かされました。

クリストファーの担任、シボーヌ先生もとてもいい。最後に「何でもできるってことでしょ?」と聞かれて、彼女が黙って微笑むラストも。

惜しむらくは、試験中にカーテンコール後の話が唐突に出てくるところ。あとは証明シーンであからさまにスポンサー名を出すところは興ざめだなと。

それでも、鑑賞後の満足度はとても高かったし、機会があったらぜひ生で舞台を観たいなと思いました。

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ボヘミアン・ラプソディー(応援上映)

鑑賞日:2018年12月31日

映画館:TOHOシネマズ 日本橋

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周囲のほとんどの人が観た(あるいはこれから観る)と言っていた「ボヘミアン・ラプソディー」。特に熱心なファンでもなくWe Will Rock YouだけiTunesでダウンロードしてたレベルでしたが、時間と空き具合がちょうど良かったので応援上映に行ってきました。

【あらすじ】

ペルシャ系インド人で熱心なゾロアスター教信者の両親の元で育ったファルークは、ザンジバル島タンザニア)生まれ。彼が17歳の時、ザンジバル革命のため一家はイングランドに移住する。

大学卒業後、ファルークはギターのブライアンとドラムのロジャーが所属するバンド「スマイル」にボーカリストとして加入。後にバンド名を「クイーン」と変更し、ファルーク自身もフレディ・マーキュリーと改名する。

クイーンはたちまち人気を博し、世界中でツアーを行うようになるが…。

【以下、ネタバレを含む感想】

フレディの歯が気になって仕方がなかったです。まるで、さんまの真似をする原口。恋人のメアリーとキスをする場面でも歯が邪魔になっているように見えました。

最初は幸せそうに見えるメアリーとの結婚も、彼のセクシャリティが明らかになることで、破局を迎えます。その前からツアー先でメアリーに電話しながら男性がトイレに入るところを見つめていたり、彼女のために作った曲が別れの曲だったりと、そこかしこに伏線が。

続いて、個人マネージャーのポールにそそのかされて迷走するフレディが描かれるのですが、正直このあたりは少し間延びしているように思いました。

それにしてもバンドメンバーが大人ないい人達(存命だから悪く描けない?)。特にギターのブライアン・メイの成熟した安定感がよかった。ドラムのロジャーも山本耕史みたいなアイドル顔でチャーミングでした。

圧巻は最後のライブエイドのシーン。We Are The Championsは特に凄かった。色々あったけど、やはり彼には天与の才能があったのだと圧倒されました。応援上映だったので、このシーンでは歌ったり手を振ったりしてる人がちらほらいて、上映終了後は拍手がありましたが、日本橋という場所柄なのか全般的に静かで、ペンライトを振っている人もいませんでした。

鑑賞後はそれなりに感動していたのですが、以下の記事でどこまでが事実なのかを知ってからは複雑な思いに。感動演出のために時系列が入れ替えられていたのですね…。

上記の3ページ目に、実際のライブエイドの動画へのリンクがあるのですが、これが見事に映画のまんま。完コピだったとは。ピアノの上の飲み物まで。これでは「ライブ映像をそのまま流せばいいではないか」という意見ももっともかなと。 

最後に、クイーンと日本の関係について。当初、イギリスではあまり評価が芳しくなかったクイーンにいち早く飛びついたのが日本の女性たちだったそうです。映画の中でも、フレディが着物を着てたり、金閣寺のお札が家に貼ってあったりしました。日本でクイーンを紹介した方のインタビューも貼り付けておきます。

 

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フレディ・マーキュリー~孤独な道化~

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アリー/スター誕生

鑑賞日:2018年12月29日

映画館:新宿TOHOシネマズ 

もともとはハリウッドが舞台だった1937年の映画「スタア誕生」を音楽業界に置き換えてリメイクした1976年の映画を、さらにレディ・ガガ主演でリメイクした作品。76年版のバーブラ・ストライサンドを意識したところも見られました。

【あらすじ】

カントリー歌手ジャックは、誰もが知るスターだが、影では酒やドラッグに溺れ、難聴にも苦しんでいた。ある日のライブ後、たまたま立ち寄ったゲイバーで歌うアリーの才能に目をとめた彼は、ツアーに彼女を同行させる。彼女の歌は評判を呼び、ソロデビューを持ちかけられるが…。

【以下、ネタバレを含む感想】

レディ・ガガというと奇抜なファッションのイメージしか無かったのですが、正統派シンガーなのだなと遅ればせながら認識を新たにしました。

アリーが最初にジャックのステージでShallowを歌うシーンは思わず涙。ブラッドリー・クーパー演じるジャックの演奏シーンも神がかっていてかっこいいのです。

しかし、途中から嫌な予感が…。「そうだよね、このままじゃ終わらないんだよね。あれでしょ?妻が成功しすぎちゃって、夫婦仲がギクシャクしちゃうパターンでしょ?」と思ったら案の定、頂点を極めるアリーに耐えられず、ジャックは痛々しい形で転落していきます。そして迎える最悪の結末。それでも私はあなたを愛し続けます、と2人の思い出の曲を歌い上げるアリーでフィナーレ(これも涙)。

観に行ってよかったとは思いましたが、正直「いつまで女は男のプライドに気を遣い続けなければいけないのだろう」という、ため息にも似た思いもありました。アリーはジャックを思って、ツアーを中止にして彼と一緒にいることを選んだりもするのですが。憐れまれる立場には耐えられないんですよね、ジャックは。そういえば、ファニーガールもこんな感じだったような。その点「メアリーの総て」の方がもう一歩進んで、後味が良かったです。

細かいところでツボだったのは、日本の競馬番組、ジャックのプリティウーマンのリフ(ヘロヘロなのに魂こもってて痺れた)、リハビリ施設に入所してるのに相変わらず引き締まったジャックの筋肉、アリーの書く曲のちょっとメンヘラな歌詞、そして意外とおぼこいレディ・ガガ

映画鑑賞後には、ジャックのことを想って、ジントニックを飲んだりしました。

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