プリシラ(日生劇場)
観劇日:2019年3月21日
劇場:日生劇場
1994年のオーストラリア映画がブロードウェイで舞台化されたものの日本語版。シンディ・ローパーやマドンナなど懐かしい曲の数々にのせてドラァグ・クィーンを描いた作品で、傷ついた心への優しい眼差しを感じました。演出は宮本亜門。
【あらすじ】
シドニーでドラァグクィーンをしているティックは妻子と別居中。息子には自分の仕事を「ショービジネス」とだけ伝えている。
ある日妻のマリオンから電話があり、彼女がオーナーであるカジノでショーをして欲しいと言われる。ティックは引退したトランスジェンダーのバーナデットと、仕事仲間のアダムに声をかけ、プリシラ号と名付けたバスで、オーストラリアの真ん中にあるアリス・スプリングスを目指すが…。
【以下、ネタバレを含む感想】
「まだLGBTへの偏見が今より大きかった時の話」というような内容のテロップから物語が始まります。
最初のステージシーンで「もう愛なんていらない」と歌われるのを皮切りに、理解されないことや受け入れられないことの哀しみが通奏低音のように流れている気がしました。
キャストの中では、バーナデットを演じる陣内孝則が存在感がありました。ヒールは歩きにくそうだったけど、着ている洋服もセンスがよくて、上品で、メリル・ストリープのような雰囲気。ミュージカル「深夜食堂」にも出演していたコーラスのエリアンナは迫力満点。シンシア役のキンタロー。も異彩を放っていました。ティックの息子ベンジー役の子が、セリフに心がこもっていて、とても上手でした。
ティックとアダムは、2階席だったのもあって、どちらがどちらかよくわからなくなることが多々ありました。同行者も同じ感想を持ったようです。
ゲイの主人公と別居妻の仲が良いのは、ボヘミアン・ラプソディーに似てると思いました。
一番印象的だったのは、劇場全体がエアーズロックになったような瞬間。壁や天井が岩のような質感で、座席の色も桃色だったので、劇場の特徴がよく生かされていると思いました。
ディスコナンバーのショーシーンも華やかで、優しい気持ちになれて、楽しめる舞台でした。
Priscilla: Queen of the Desert
- アーティスト: Original Broadway cast
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- 発売日: 2019/03/01
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